残業割増率の設定
残業割増率の設定方法と、タイムシートでの残業手当の確認方法を学びましょう。
残業割増率の管理は、従業員が法定労働時間を超えて勤務する企業にとって重要な取り組みです。例えば、日本の労働基準法では、1日8時間、週40時間を法定労働時間と定めています。時間外労働には25%以上の割増賃金を支払うことが定められています。
同様に、各国には労働法を遵守し、公正な残業手当を確保するために、残業時間に適用すべき独自の割増率や倍率が定められています。
Jibbleの従業員残業トラッカーを利用すれば、残業割増率の設定も簡単に行うことができ、従業員が追加労働に対して適切な報酬を受けられるようにできます。
この記事では、以下についてご説明します:
残業割増率の設定
重要 ❗:残業割増率を設定する前に、チームメンバーのプロフィール詳細で請求単価を設定していることを必ず確認してください。ユーザープロフィール情報の更新についてをご参照ください。
- 勤務スケジュールに移動します。
- 勤務スケジュールが未作成の場合は作成し、既存のスケジュールがある場合は選択して残業割増率を適用します。
- 鉛筆アイコンをクリックして勤務スケジュール設定の画面を開きます。
- 残業ルールのセクションを確認します。
- 自社のポリシーに対応する残業タイプを有効にします。残業ルールの詳細は、残業の仕組みについての記事をご覧ください。
- 1日の時刻または時間数を基準に残業のしきい値を設定します。
- しきい値を超えた残業手当を計算するために、各ルールに割増率(乗数)を入力します。
- 保存をクリックして残業設定を保存します。
▶️ 以下のガイドを参考に、実際に操作を練習してみましょう。
エクスポートデータでの残業手当の表示
残業割増率は、タイムシートのエクスポートに表示される合計請求対象金額に加算されます。
タイムシートの概要レポートでは、総残業時間、それに適用される割増率、さらに各チームメンバーごとの合計請求対象金額を一目で把握できます。
- タイムシートへ移動します。
- エクスポートボタンをクリックします。
- ファイル形式はCSVまたはエクセルから選択します。
- 追加でエクスポートしたいファイルにチェックを入れます。詳しくは、エクスポート可能なレポートのタイプについてをご参照ください。
- エクスポートのための日付範囲、絞り込み条件、時間形式、期間形式を選択します。
- エクスポートボタンを押します。
- エクスポートされたファイルには、給与計算用時間の内訳が、通常時間と残業時間に分類されて表示されます。
- 各行には、それぞれの残業タイプに対応する時間が表示されます。
- 最後の2列には、残業割増率と合計請求対象金額が表示されます。
▶️ クリック可能なガイドを操作して、試してみましょう。
請求対象金額と残業割増率の計算
残業手当の計算式:
|
計算式 |
残業割増率 |
割増率(乗数)× 請求単価 |
請求対象金額 |
(請求単価 × 通常時間)+(請求単価 × 有給休暇時間)+(日次残業割増率 × 日次残業時間)+(日次追加残業割増率 × 日次追加残業時間)+(祝日残業割増率 × 祝日残業時間)+(休日残業割増率 × 休日残業時間) |
例 1
サラさんという従業員を例にしてみましょう。彼女の勤務先は、1日8時間の労働時間を採用しています。この会社のポリシーでは、1日の労働が8時間を超えると日次残業として扱われ、12時間を超える場合は日次追加残業として扱われます。
サラさんは、月曜日に8時に出勤し、22時に退勤しました。彼女の残業手当は次のように計算されます:
- 総給与計算用時間: 14時間
- 通常時間:8時間
- 日次残業時間:4時間
- 日次追加残業時間:2時間
- 請求単価:時給 $20
- 割増率:日次残業は1.5倍、日次追加残業は2倍
残業割増率の計算:
- 日次残業の計算式:(割増率 × 請求単価)
- 日次残業割増率:1.5 × $20 = $30
- 日次追加残業割増率:2 × $20 = $40
残業代の計算:
- 通常給与:8時間 × $20 = $160
- 残業手当:
- 日次残業:4時間 × $30 = $120
- 日次追加残業:2時間 × $40 = $80
- 請求対象金額合計:$160 + $120 + $80 = $360
つまり、サラさんの1日の請求対象金額(残業を含む)は合計$360となります。
例 2
次に、フランクさんが日曜日(休日)にあたる祝日に勤務したケースを見てみましょう。彼の残業手当は次のように計算されます:
- 給与計算用時間:8 時間
- 通常時間:0 時間 (祝日に働いた時間はすべて祝日残業に計上されます)
- 祝日残業時間:8時間
- 休日残業時間:0 時間(祝日と休日が重なる場合は、祝日が優先されます)
- 請求単価: 時給 $20
- 割増率:祝日残業は1.5倍、休日残業は2倍
残業割増率の計算:
- 残業の計算式:(割増率 × 請求単価)
- 祝日残業割増率:1.5 × $20 = $30
- 休日残業割増率:2 × $20 = $40
残業代の計算:
- 通常給与:0時間 × $20 = $0
- 残業手当:
- 祝日残業:8時間 × $30 = $240
- 休日残業:0時間 × $40 = $0
- 請求対象金額合計:$0 + $240 + $0 = $240
この例では、フランクさんが祝日に8時間勤務した場合、請求額の合計は $240 になります。